十悪(じゅうあく)とは何か

~なぜ社会は乱れ、なぜ広宣流布が必要なのか~

現代社会では、

政治不信。

汚職。

詐欺。

いじめ。

誹謗中傷。

犯罪。

戦争。

交通事故。

様々な問題が後を絶ちません。

そのたびに人々は、

「世も末だ」

と嘆きます。

しかし仏法は、

問題の根本原因は制度や法律そのものではなく、

人間の生命にある

と説いています。

なぜなら、

制度も法律も、

政治も行政も、

すべて人間が作るものだからです。

生命が正しければ制度も正しくなる。

生命が濁れば制度も濁る。

これが仏法の基本的な考え方です。


因果の理法とは何か

仏法の根本には、

善因善果・悪因悪果

という法則があります。

善い原因を作れば善い結果が生まれる。

悪い原因を作れば悪い結果が生まれる。

これは宗教的な脅しではありません。

自然界の法則と同じです。

リンゴの種を蒔けばリンゴが実ります。

雑草の種を蒔けば雑草が生えます。

人生も同じです。

どんな原因を作ったかによって、

未来の結果が決まっていくのです。


十悪とは何か

仏法では、

人間を不幸にし、

社会を混乱させる原因となる十種類の行為を

十悪(じゅうあく)

と呼びます。


① 殺生(せっしょう)

命を傷つけたり奪ったりすることです。

暴力。

虐待。

生命軽視。

戦争。

弱い立場の人を犠牲にする行為。

これらも広い意味では殺生の心です。

生命を大切にしない社会は、

必ず生命軽視の社会になります。


② 偸盗(ちゅうとう)

盗みです。

泥棒だけではありません。

詐欺。

横領。

搾取。

不正な利益。

人のものを不当に奪う行為全般を指します。


③ 邪淫(じゃいん)

不誠実な男女関係です。

裏切り。

家庭破壊。

人を欲望の道具として扱うことです。

信頼を壊す行為と言ってもよいでしょう。


④ 妄語(もうご)

嘘をつくことです。

人を騙す。

事実を隠す。

責任逃れのために嘘をつく。

これらはすべて妄語です。


⑤ 綺語(きご)

耳ざわりの良い言葉で人を惑わすことです。

きれいな言葉でごまかす。

本音を隠して誘導する。

都合の良い宣伝をする。

現代社会では非常に多く見られます。


⑥ 悪口(あっく)

人を傷つける言葉です。

悪口。

誹謗中傷。

人格攻撃。

SNS上の中傷も含まれます。


⑦ 両舌(りょうぜつ)

二枚舌です。

人と人の仲を裂く。

陰口を言う。

対立を煽る。

社会の分断を生む行為です。


⑧ 貪欲(とんよく)

際限のない欲望です。

もっと金が欲しい。

もっと権力が欲しい。

もっと支配したい。

自分だけが得をしたい。

そうした心です。


⑨ 瞋恚(しんに)

怒りや憎しみです。

他人を許せない。

攻撃したい。

復讐したい。

そうした破壊的な感情です。


⑩ 邪見(じゃけん)

間違った考え方です。

生命を軽視する。

因果を否定する。

人間は利用するものだと考える。

善悪など関係ないと考える。

これが最も根本的な悪とされています。


十悪は個人だけの問題ではない

多くの人は、

十悪を個人の道徳の話だと思います。

しかし仏法はそうは見ません。

十悪は家庭にも現れます。

会社にも現れます。

学校にも現れます。

そして国家にも現れます。


因果を信じない権力の危険性

仏法から見れば、

最も危険なのは、

因果の理法を信じない人間が権力を持つことです。

なぜなら、

自分の行動に責任を感じなくなるからです。

嘘をつく。

責任を取らない。

生命より利益を優先する。

権力を私物化する。

こうした現象は、

歴史上どの国でも繰り返されてきました。


法律は人間の生命を映す鏡

法律そのものに善悪があるのではありません。

法律を作る人間の生命状態が、

法律に反映されます。

生命尊厳を信じる人が法律を作れば、

生命を守る法律になります。

自由を尊重する人が法律を作れば、

自由を守る制度になります。

しかし、

利益や保身を優先する人が作れば、

制度もその方向へ傾きます。

制度は人間の生命の鏡なのです。


国民主権の本当の意味

国民主権とは、

国民が国家の主人公であるということです。

ということは、

政治家だけが変わればよいのではありません。

国民自身が変わらなければ、

社会も変わりません。

政治家も。

官僚も。

裁判官も。

経営者も。

労働者も。

みな国民の中から生まれるからです。


広宣流布とは総体革命である

日蓮大聖人は、

武力革命を説かれませんでした。

権力奪取を説かれませんでした。

説かれたのは

広宣流布

です。

一人の生命が変わる。

家族が変わる。

地域が変わる。

社会が変わる。

国家が変わる。

そして世界が変わる。

これが広宣流布です。

つまり、

上の為政者だけではありません。

下万人に至るまで、

南無妙法蓮華経を受持し、

生命尊厳と因果の理法を理解する人を増やしていく。

それによって社会全体の生命状態を高めていく。

これこそが仏法の説く

総体革命

なのです。


南無妙法蓮華経が目指す社会

南無妙法蓮華経は、

単なる個人の幸福のためだけの教えではありません。

生命を最も尊いものと考える社会。

自由を守る社会。

弱い人を守る社会。

正直な人が報われる社会。

責任ある政治が行われる社会。

そうした社会を築くための根本法です。


まとめ

十悪とは、

人間の不幸と社会の混乱を生み出す十種類の原因です。

そしてその反対に、

生命を尊び、

真実を語り、

他者の幸福を願う生き方は善因となります。

国民主権の時代において、

国家の未来を決めるのは国民一人ひとりの生命状態です。

だからこそ、

為政者から一般市民に至るまで、

因果の理法を知り、

生命尊厳の哲学を持ち、

南無妙法蓮華経を実践する人を増やしていく。

その積み重ねによって、

政治も、

行政も、

法律も、

制度も、

「自由と生命尊厳を第一義とする方向」

へ変わっていく。

それが日蓮大聖人の説かれた広宣流布であり、

仏法が目指す真の総体革命なのであります。

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